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『国家の罠』を読み返しながら、世に倦む日日を読みました。
 昨日、あまりにも疲れていたので(本当の理由は違うけど・・笑)、中途半端になった『国家の罠』の話を続けます。昔から社会が苦手だった私は、地理も世界史もまったく苦手。特にカタカナの地名や名前が出てくると、ぜんぜん頭に入りません。そういうわけで、『国家の罠』の日露関係の経緯というところに、佐藤優さんが、小難しい話になって恐縮だが、と説明されているところを読んで、やっと世に倦む日日の内容が5分の1くらい(笑)頭に入りました。同じような人のために、以下に引用します。 
 1945年8月、ソ連は当時有効だった日ソ中立条約を侵犯して、日本に戦争を仕掛けてきた。ポツダム宣言を受け入れ、日本は無条件降伏をしたが、法的には平和条約が締結されてはじめて戦争が終わる。平和条約には、戦争状態が終わり、外交関係が再開されることと、領土・国境問題がある場合には、その解決について記されるのが通例である。アメリカ、イギリスなどほとんどの国とは51年のサンフランシスコ平和条約で戦争状態は終結した。ロシア(ソ連)との間には、未だ平和条約が締結されていない。56年の日ソ共同宣言で、両国間の戦争状態は終結し、外交関係が再開された。しかし、領土問題が解決されないので平和条約は締結されなかったのである。
 『国家の罠』では、北方領土問題絡みで重要な文書は3つある、と書かれていて、56年の日ソ共同宣言(鳩山一郎首相、ブルガーニン首相らが署名)、93年の東京宣言(細川護煕首相、エリツィン大統領が署名)、2001年のイルクーツク声明(森喜朗首相、プーチン大統領が署名)をあげられています。
 イルクーツク声明は、56年の日ソ共同宣言を「平和条約締結に関する交渉プロセスの出発点を設定した基本的な法的文書であることを確認」し、同時に東京宣言の内容も確認していて、戦後の北方領土交渉の成果を最大限に盛り込んだ、日本にとって最も有利な外交文書である。と書かれていますが、これは、佐藤優さんがチームリーダーをつとめていた「ロシア情報収集・分析チーム」に特命案件の処理を命じていた東郷和彦欧亜局長(当時)の腹案のもととなっている考え方みたいです。このチームは、官邸主導の対ロシア外交を政治の側から実務的に支えてきた鈴木宗男議員と行動を共にする機会が少なからずあった。と書かれていますので、鈴木宗男さんも同様の考え方であったと思われます。
 今日の世に倦む日日では、「確かに鈴木宗男を含めた二島先行論が日本に対露外交を混乱させたことはある。」と書かれていますが、『国家の罠』によると、巷では東郷氏の考え方は「二島返還論」もしくは「二島先行返還論」で、日本政府の方針から外れているとの批判がなされたが、これらは為にする批判で、まだ、東郷氏の案は、プーチン大統領と噛み合う形で解決を図ることのできる実効性をもった戦略なので、踏み込んだ説明はできないが、四島一括という立場でぎりぎりの譲歩をした案であり、日本政府のこれまでの方針の枠内で構築されたものであることを、私は自らの良心に賭して保証する。と書かれています。
 その後、外務省の「ロシアスクール」の内部のいざこざが田中真紀子外相と鈴木宗男議員をまきこんで、外務省の組織崩壊にまで発展し、アフガニスタン復興支援東京会議へのNGO出席問題を契機とした鈴木宗男さん、田中真紀子さん、野上次官の三つどもえの闘いがテレビでもとりあげられたりしましたが、その舞台裏の話が書かれている、『国家の罠』の内容は、どのくらい真実なのでしょうか?
 旧とくらBlogで書いた、同じ時代に生きている人の話とは思えません。に最近、コメントを書いてくださった方がありますが、『国家の罠』をすぐれた本と認めた上で、やはり鈴木宗男さんへの嫌悪感は消えないこと、また、佐藤氏の主張を全面的に賛成するものではないということが書かれていました。
『国家の罠』を読み返しながら、世に倦む日日を読みました。_e0067429_13512714.jpg
 ロシア人脈、アフガン人脈、国連人脈、中央アジア人脈を最大限に活用できる人物と書かれている鈴木宗男さんが、小泉首相と面会した日の夜、「総理もタジキスタンの重要性はわかったようだ。俺に総理親書をもって、タジキスタンとウズベキスタンに行けという。たいへんな仕事になるが、あんたの力が必要だ。頼む。タジキスタンを巡って、アメリカとロシアの綱引きが始まっている。ここに日本がうまく噛めば、北方領土問題を動かすことができるかもしれない」と、佐藤さんに興奮して語ったそうです。鈴木さんのダイナミックな戦略は本を読んでいただくとして、そんな努力が、つまらないことで、パァーになったのかと思うと、もったいないなぁ、と思うのです。
 2002年に鈴木さんがタジキスタンを再訪問して、その帰路、モスクワで森喜朗前総理と合流し、クレムリンでプーチン大統領と会談する予定が1月18日。この時に、国策捜査の対象として狙われる伏線が潜んでいたと、あとで気がついたそうですが、その後のこともまるでスパイ映画の世界みたいな話で、信じていいのかどうかわかりません。佐藤さんは、うそは書いていないが、あえて書いていないことはある。と言われています。そして、どこかに情報とはそういうものだというようなことを書かれていたと思います。その部分を探したいのですが、時間がないので、また、夜にでも見つかったら書くかも知れません。
 11月15日の世に倦む日日が、「期待して読んだ佐藤優のファシズム論の続きに、すっかり肩透かしを食らってしまった。」と書かれているのを読んだ時、佐藤さんは学者や評論家ではないので、「講座派と労農派のファシズム論を検討するという予告をしていたにもかかわらず、あっさりキャンセルして日露外交の話に変えて」しまったとしたら、それには何かしらの発信すべき情報が含まれているのではないかと、考えてしまいました。私は、本当に情報操作されてしまった人間なのでしょうか?(笑) 最近のニュースは、何も信じられません。うらになにかあるのかな、と思ってしまいます。構造計算の数値をごまかして建築確認がおりたと、今、話題の建築士事務所も構造計算だけ担当していて、実際の確認は元請の建築士事務所が受けたんでしょ。そこの指示もないのに、わざわざ数値をごまかしたりするわけないじゃん。とか思ってしまい、テレビのニュースはなにかへん、と疑いまくりです。
 『国家の罠』には、次のように書いてありました。
  『国民の知る権利』とは正しい情報を受ける権利も含みます。正しくない情報は国民の苛立ちを強めます。閉塞した時代状況の中、『対象はよくわからないが、何かに対して怒っている人々』が、政治扇動家(デマゴーグ)に操作されやすくなるということは、歴史が示しています。
 『国家の罠』をひさびさに引っぱり出して、一部だけ読み返してみて、文章を引用したりつないだりしたので、おかしいところがあるかもしれません。その時は、指摘してくださいね。喜八ログさん!あっ、最近、読まれたばかりのはじめの一歩さんもいらっしゃいましたね。チェックお願いします。
by dket | 2005-11-22 17:16
<< 歴史の重みと感動はどこへ?-自... そうかもね、と ひとりでつぶやく。 >>



まだ間に合うかもしれない

by dket
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