メディアリテラシーを身につけ、老獪な権力に立ち向かう。(山口県議会一般質問)
 3月7日に、山口県議会で、「国の緊急経済対策への県の対応」について質問しました。今回、国の打ち出した緊急経済対策の「方向性には」賛成している理由として、次のように述べました。質問量が多かったので、早口となり、わかりにくかったと思いますので、ここにも書いておきます。(質問資料はこちら ↓ )
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 「権力は老獪である。」 3年半前の政権交代前、民主党への政策提言書にそう書かれたフレーズがありました。残念ながら、この教訓は生かされませんでした。政権は交代したけれど、権力は交代していませんでした。その“権力”というものに民主党は分断統治されたのでしょうか。 第2次安倍内閣が発足しました。
 安倍総理は、3本の矢 いわゆるアベノミクスでデフレを脱却し、経済を再生させると言われています。働いても働いてもお給料はあがらない。生活が苦しい。返しても返しても借金が減らない。若いご夫婦が家を建てようとしても住宅ローンが通らない。本当にこんなデフレから脱却することができるなら、がんばっていただきたいと思います。

 でも、残念ながら、日米首脳会談にのぞまれた最近の安倍総理を見てみると、やはり第1次安倍内閣の時と変わっておられないのではないかと思います。小泉竹中路線の、新自由主義、構造改革路線を否定できないまま、ガソリンなどの物価は上がるけれど、デフレは続く、お給料はあがらない、格差がさらに広がり、金融緩和でじゃぶじゃぶになったお金は、海外に流出する。そして、そのお金がまわりまわって、日本企業を買収する。ほとんど外国資本となった日本の大企業が政府に労働基準法の規制緩和を求める。通訳など、一部の専門性の高い業種だけに限られていた派遣法が製造業にまで認められる。・・・。

 これは、小泉内閣から第1次安部内閣の頃の話ですが、そんなことにならないように、デフレ脱却のために、安倍総理には健康に留意されて、日本の本当の意味での国益のために、国民のために、がんばっていただきたいと思います。安倍総理の足下(※ そっか 議会で問題となった言葉を、わざと使っています。)の山口県の議員のひとりとして応援したいと思っています。

 しかし、安倍総理が、デフレが解消されなかったのは、民主党政権の責任のように言われるのは、あまりにも心外です。実際は、ご自分が官房長官として支えられ、また、総理になられてからも継承された小泉構造改革にデフレ長期化の大きな原因があるのだということを、あらためて県民の皆様にご理解いただかなければなりません。

 安倍総理は、15年もデフレが続いている、と言われています。でも、第1次安倍内閣が誕生した頃のテレビや新聞は、景気拡大が続き、いざなぎ景気以来の景気回復と報道されていました。7年連続で平均給与がダウンしていた国民の生活実感とはかけ離れており、実感なき景気回復とも言われていました。

 その頃、“いざなぎ景気以来の景気回復”は、数字のマジックだと、経済学者の菊池英博さんは言われていました。
「GDPの実質成長率」は「名目成長率マイナス物価上昇率」で表されるので、デフレの時には、「物価上昇率」(GDPデフレーターというらしいですが、)これがマイナスなので、デフレが深刻であればあるほど、マイナスとマイナスでプラスになり、実質成長率は、高度成長と同じ数字が出る。けれど、実体経済は縮小している。
と解説されていたのです。その後、政治評論家の森田実さんの勉強会に参加して菊池英博さんを紹介していただき、その後も何度もお話をお伺いしています。私は、菊池英博さんのお考えを多くの方に知ってもらいたくて、政治とは関係しない頃からずっと、ブログに書いてきました。

 菊池英博さんは、小泉構造改革はデフレ政策であり、デフレを法制化して長期化させた政策として、主に3つあると言われています。ひとつは、2002年に閣議決定した「基礎的財政収支均衡策」で、緊縮財政を続けてきた財政デフレ、2つ目は、労働基準法を改定して実質的に経営者による労働者の解雇を自由にしたリストラデフレ、そして、会計基準の変更による時価会計デフレ、この3つを主にデフレ長期化の原因としてあげておられます。時価会計を取り入れたのは竹中さんだと思いますが、デフレの時に時価会計を取り入れるなど論外だと専門家の方々なら当然理解されていると思います。

 小泉構造改革の経済政策は、「財政は引き締め・金融は緩和」の政策が中心で、資料1にあるように、公共投資と地方交付税交付金・国庫支出金を、2001年から2010年までの10年間で、ここには、民主党政権時代も含まれますが、実に75.4兆円も削減されています。その一方、過去10年間で、120兆円が海外に流出しており、その7割に当たる約80兆円で政府が米国債を購入しているとみられます。国内ではデフレ政策をとって資金を使わせないようにし、緩和した日銀資金は外資を中心とした投機活動に使われたと、菊池英博さんは言われています。
 
 最近では、安倍内閣の内閣官房参与に任命された『列島強靭化論』の藤井聡さんの本を読むと、アメリカの対日政策は日本機関車論から日本財布論に変わったと言われる宍戸駿太郎さんと対談されていました。改革こそが日本をボロボロにした、と藤井さんの本に書かれており、まさに、私が、下関に行ってまで衆議院選挙を戦ったときに主張してきたことと同じで、大変興味深い本でした。

 菊池さんは、日本のデフレは、財政支出により有効需要を喚起し、金融がフォローしていく政策、「財政出動、金融フォロー」 この必要性をずっと主張されてきました。小泉政権の時代から、「日本は財政危機ではない、デフレの今、日本経済に必要なのは、積極的な投資減税と公共投資である。政府と個人の金融資産を自分の国のために使うべきだ」と主張されてきました。2005年に書かれた本には、「日本再興投資資金枠100兆円」を設定し、10年間、毎年継続して支出することの提案をされています。最近の著作では、5年100兆円の補正予算を提案されていますが、これにより財政健全化も進むと書かれています。財源もしめされていますし、公共事業の内容も、新エネルギーの開発や医療など、新しい分野で提案されています。

 この菊池さんのお考えをほとんどそのまま、アベノミクスとして安倍総理が進められようとしていると思えますので、安倍総理には本当にがんばっていただきたいのです。

 最近では、さきほど申しました藤井聡さんやTPPは単なる関税や農業の問題ではない、TPPには反対だ、と言われている経産省官僚の中野剛志さんなど、日本の財政は破綻しない、デフレの今は、公共投資が必要である、と主張される専門家が増えてきて、喜んでいます。

 中野剛志さんは、「10年前、日本の経済学者たちは菊池英博氏の積極財政論を時代遅れだと哂ったが、氏は信念を曲げなかった。ところが、今では、アメリカの有力な経済学者たちのほとんどが、積極財政論者なのだ」と菊池英博さんの著作の帯に推薦文を書かれています。

 TPPも財政政策も、私たちにはわかりにくいので、いえ、わざとわかりにくくしているのかもしれませんが、政府にとって都合の良い情報が、テレビや新聞により流され、納税者である私たちの世論を、ある一定方向へ誘導するようなことが続いてきました。今後は、私たち自身が、メディアリテラシーを身につけ、老獪な権力に立ち向かわなければならないのだと思っています。
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by dket | 2013-03-08 01:48
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